東京ノートをめぐる
緩やかな書簡 4
2019/02/21 03:36 藏下右京
昨日、近所のライフの魚コーナーに行き、タイムサービスで売っていたイナダを2冊買った。
安いのに脂が乗っていて美味しかった。1冊残しておいて、今日の昼も続けて食べた。
去年の秋口に、魚を捌くのに少しだけハマっていた(そのあと寒くてやめてしまったが、春になったら再開しようと思っている)。
魚を捌く動画も何回か撮ってみたことがある。見返してみると生々しくてよかったので、
一瞬、youtuberになろうかと思ったが、気まぐれクックという圧倒的な先人がいて、その夢はあっけなく消滅した。
魚を捌くのは結構楽しい。動物の体全体を解体していくというのは、魚以外ではなかなかできない気がする。
スーパーで購入したものだからすでに死んでいるのだけど、魚の頭を落としたとき、自分が魚を殺したような錯覚に陥る。
いや、錯覚ではなくて、やっぱり殺しているのだろう。
体の奥底に眠っていた太古の狩猟民族の血が呼び覚まされたような気がしてくる。その分、できた飯は美味しい。
形だけの斬首でこれなのだから、漁師や魚屋はもっと格闘してるんだろうなあ。魚関係の仕事にでも就こうかな。
最近は合間を縫ってスマブラをやっている。長尺のコンテンツはまとまった時間が必要で大変だけど、
スマブラは隙間時間にプレイできて良い。初プレイからカービィを使っていたのだけど、後に今作で最弱キャラだと知り、
いっそのことずっと使い続けたくなってきた。カービィでの世界戦闘力は20万とまだまだ雑魚だけど、
僕のトレーニングに付き合ってくれる方はぜひ一緒にやりましょう。
2019/02/21 22:09 冨田粥
みなさま
冨田です。
最近、春めいてきましたね。僕は冬が好きなので複雑な気持ちでいます。
冬は虫がいないし冷たいから最高。
書簡を読んだり稽古のこと考えたりしてたら、唐突に2年前のちょうど今頃、神戸に行ったときのことを思い出しました。
最近海の話とかよく出てくるからかな。魚とか?
神戸には大学受験のために行きました。試験の次の日とか、進学したときに入居する予定だった寮の下見までした。でも、ちょうどその寮の下見をした直後に早稲田受かったことがわかって、え、じゃあ東京行こって思った。寮の部屋はロフトがついてて、東向きだった気がする。部屋から海が見えた。あとでかい船とかコンテナ、クレーーーーーン。その日はすごく晴れていたんですよね。
寮のすぐ近くに美術館があったんですけど、寮の下見の時点では神戸に行く気満々だったので、母親に「中、見なくていいの?」って訊かれて「ここ住んだら行き放題になるからいいかな」って返した。帰り、空港に向かうバスで、美術館行っておけばよかったな〜って、ちょっと後悔した。バスでは、Hirotaka Shirotsubakiという神戸に住むアーティストのアルバム「My town」を聴いてました。神戸の地名が曲名になってて。
伊丹空港で母親とお茶した。僕はクリームソーダを飲みました。大きな窓の外に海は見えなくて、なんか滑走路の建設?してた。そんなはずないけど、二度とここに来ないような気がした。
選ばなかった場所のことを選んだ場所の先で考えてしまういつも。
2019/02/23 05:27 渡邊まな実
こんにちは。渡邊です。この書簡を書いている時刻は深夜3:00です。仙台行のバスに乗っています。
23:40に新宿駅を出発して、仙台駅に5:30に到着する予定です。バスの中は真っ暗です。窓側の席ではないので、全然外の様子が見えません。iphoneの画面の光を最小限にしようとしても目立ってしまうので、着てきたロングコートを頭からかぶって、その中で光が漏れないようにして書いてます。高校生のとき、ワンセグ付き携帯を手に入れた私は深夜、夜中まで起きていると注意しにくる母にバレないように寝たふりして布団の中にもぐって小さい画面に映るアニメや映画を隠れて楽しんでいたときのことを、ふいに思い出しでしまいました。
昨日稽古に少しだけ参加したのですが、こう見えた、とかこっちのほうが良かったとか、意見を交換し合っているみんなを見て、それが不思議と見えない糸で膜をつくっているように見えてきて、その膜は破らないほうがいいんじゃないか、どうしよう、と思いました。でも、そのことを粥ちゃんと黒木さんに伝えると「(指で膜に穴を開けるような動作をしながら)プチッとやって大丈夫ですよ」と言われ、ほっとしました。
春はこの「プチッ」が多い気がします。最近は辛い寒さがあるときからなくなってきていて、いつのまにか梅が咲いている。山へ行けばずっと残ってた雪は溶け、ふきのとうがもう顔をだしているかもしれない。
私も5:30になったら目的地に到着し、この重いロングコートの中を抜けだして、はじめての土地を歩くこととなります。
それで思い出したのがショーン・タンという作家の「Arrival(アライバル)」という絵本です。
「Arrival(アライバル)」とは到着、新しく出現したもの、新参者、新生児という意味があるようです。
この絵本では移民と難民の人たちが描かれており、過去を捨てなければならない辛さと新たな土地で生まれ変わるチャンスを手にした幸せ、両面があることを知りました。
同じバスに乗っていた人たちは目的地に着いたとき、何を思い、どこを目指すのでしょうか。
ラインを開くと、友人から「マクドナルド仙台東口店で待ってるね」とメッセージがきていました。
私はとりあえずマクドナルド東口店を目指すことにします。
2019/02/27 22:41 本田百音
グーグルマップで カフェ と探して、この辺一帯しばらく歩いていたんですけど、ファミリーマートにボンッと外の席があって、こういうのを何て言ったっけ、カフェ 外の席 で検索したところ、 テラス席があるレストラン&カフェ ってのが出てきたんで、テラス席と言いますテラス席があったので、百円のアイスコーヒーを買って寛いでます。今日は幸いにも雨の日なんでイヤホンはずして音楽かけても許されそうで、韓国のR&Bなんかかけて、Zion.Tという人の曲なんですけど中国留学して韓国人の友達たくさん出来たらしい友人から勧められたアルバムで。それでしかもテラス席は余裕のあるつくりなんで、最高の気分です。近くにスターバックスがあって、そこに行く選択肢もあったんですけれど、たぶんこの時間は、18時です、たぶんこの時間は混んでいて、なおのこと東京の土地はお高いってこととか、東京の人口密度はお高いってことを思い出させてくれるんでしょうから、それが今は嫌で、ここにいます。圧倒的均質空間!みたいな。この場所はお金を払った誰かのもの!みたいな雰囲気が漂うのって都市の空気じゃないですか?全て貨幣に帰す。スターバックス混んでて、先に席とっとく、あ、とられた(怒)みたいな。中途半端な場所は(怒)に駆逐されてく感じあるナ、と。悲観ではないです。だから、残されていくものは価値があるんでしょう。雨降ってるんですけど、傘がないんですよ。それで雨宿りにとカフェ探してたんですね。美術館も均質空間ですよね。場所ではないかんじ。あ、隣の席に白髪のおばさあさんがやってきて、鞄と傘を置いてファミマ入って行っちゃいました。私に対する信頼度お高い!とりあえず音楽消して、おばあさんすぐ戻ってきた!タバコ吸ってる!ムートンブーツを履いている親近感!東京で始めて見た!目が合った!冷たい目をしている!ような!っていうところで終わっているこの文を見返しています。(2/27 稽古終わり) 現在も雨が降っていて、傘なくて、イヤホン着けてKing & Prince聴きながらフレッシュネスバーガーに居ついてるんですけれど、なんで傘をいつも持っていないのかなって考えると、今日も、80㌫雨降るってことを知っていたのになんだか傘を持たなかったんですよね、いや、冬だからかな?冬は傘ってイメージないな、そういえば。雪、降ってるから、地元は。雪に傘はささないんですね。そうですね、ここまでずっと知らんがなって感じなんですけど、最近友人とかに知らんがなって思われそうなことを前より言えるようになった気がします。稽古のおかげのような気がします。良いか悪いかはちょっと別として。なんというか人間、知らんがな前提で話すものかもしれない LET’S GET FLESH!って書いてありますフレッシュネスバーガー