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​亜人間都市
新型コロナウイルスに対する見解

今回の新型コロナウイルスの流行により、演劇は未曾有の危機に見舞われています。少なくない公演が中止の対応をとりました。亜人間都市としても、公演の実施について何度も話し合いました。座組内でも態度は様々であり、公演中止や配信での上演も検討しました。ですが結論から言えば、私たちは公演を実施いたします。

確かに、公演を行うことでリスクが発生してしまうことは否めません。しかし、社会において生活する以上、人と直接の関わりは避けられず、リスクを0にするということも不可能です。

インターネットは多くの情報を提供してくれる一方、過剰な情報の取捨選択を迫り、私たちは疲れ、安全か危険か、白か黒かといったわかりやすい極端な情報をつい選んでしまいます。

ですが、実際の世界は複雑であり、私たちはその中間において、どのように生活を送るべきかを冷静に考えるべきです。そして、そのために演劇が行われるべきだと考えました。インターネット上の情報と距離を取り、具体的な場所で、一人ではなく複数人で、ある問いを冷静に考えるためにこそ上演はあります。

幸いにも当公演は大規模なものではありませんし、演劇ですから歓声が飛び交うようなものでもありません。中止にせざるを得ないイベントがあるからこそ、小規模な試みを継続したいと思います。

何より、当公演は小笠原鳥類の詩で繰り返される「安全・安心・何の問題もない」という言葉から、「楽観と悲観の衝突」というタイムリーなテーマで作品制作を行っています。このような状況で「ぜひお越しください」とは言い難いですが、お越しいただいた方には良い作品をお見せできると思います。

今後どのような状況となるかは予想もつきませんが、良い未来に資する演劇を目指します。座組一同、劇場にてお待ちしております。

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