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🐊動物チケットについて🐊

こんにちは。亜人間都市の黒木です。

 

『鳥類学フィールド・ノート』をやろう! ということになったのが昨年11月ごろですが、それからというもの、動物のことを色々と考えます。みなさんは動物のことを考えたりします

小笠原鳥類さんの詩にはたくさんの動物がでてきて、とても楽しい。けれどそれは単に素朴な意味での動物というだけではなく、言葉としての「動物」だし、不気味な存在としての動物です。鳥類さんの詩で「犬」というのが好きなのですが、これには「犬の卵」という言葉が出てきます。そんなものは存在しないし、普通の動物とは全然違う何かなんですよね。なんというか背中のゾワっとするような言葉ですが、それがとても好き。

しかしこれを演劇にするというとき、私はどうしても言葉通りの、現実の存在である「動物」のことを思わないではいられないです。現実の空間で、現実の人間が身体で演じるということは、やはり言葉だけで触れるのとは全く意味合いが変わってきます。

それで、現実の存在としての動物のことを、考えたりします。

 

2019年から2020年にかけて、オーストラリアの森林火災が話題になりました。オーストラリアの夏季にあたる1月から2月にかけては特に酷く、真っ赤に染まった夜の空と、火から逃げ惑う野生動物の映像をツイッターで見かけました。とりわけコアラなどは逃げ足の遅い動物なので、火から逃げるに逃げられないようでした。人間に救助され、ただちにペットボトルの水をかけられている映像をこれもまたツイッターで見ました。凄惨な光景でした。2月21日現在も、森林火災は続いています。

 

これに触れて、私は、何かできることはないのかと考えました。それで「動物チケット」というのを思いつきました。

動物チケットは、500円高いだけの演劇のチケットで、別になにかプレゼントがついてくるわけでもありません。ですが、公演終了後、動物チケットの売上枚数×500円を、パンダのロゴでおなじみの世界自然保護基金、WWFジャパンに寄付いたします。つまりチケットを買うついでに寄付ができるチケットです、

 

ひとり500円程度の寄付は、それ自体で何か変えられるような力を持つわけではありません。しかし500円を払うというその行為を通して、いろんなことを考えるきっかけにはなると思います。寄付をした身体で演劇を見る体験は、ふつうに演劇を見るのとはまったく違ってくるのではないでしょうか。これはひとつの演劇の楽しみ方でもあると考えます。

自然保護にも様々な考え方があり、保護、保全、再生……とそれぞれ違っています(大学でそのように習いました)。知らない方はぜひ調べてみてください。自然と人間の関係をどのように考えるかという奥深い問いがあります。ですが、今回の企画はその奥深さとは無縁の、本当に単純で素朴な動機で行います。……オーストラリアのコアラがかわいそうだったから、やるのです。こんなに素朴でよいのか悩ましいです。でも、大事なことだとも思います。そうしたこともこの先考えていけたらと思います。もしよろしければ、動物チケットを通してみなさんにも一緒に考えていただきたいです。

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